第弐譚「崩れる日々」

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シスターの名は「アンヌ」と言った、この教会図書館で一人働いているらしい そんな彼女に見惚れた吾が彼女の手伝いを始めて早数カ所となる、街の人々とも其れなりに交流はもった 元々吾はマトモな人間ではない、向こうの世界に無かった「居場所」がこの世界にはある 中々気持ち良い感覚だ 「ねえ君、本の整理お願いね?」 金糸の髪の彼女が吾にそう言う、相変わらず見惚れる程に綺麗だが所詮は叶わぬ思い 「嗚呼、拒否する理由は無い」 そう胸にしまおう、吾は人に想いを寄せる権利等持っていない
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