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誰かに見られてるかも、と。
そんなコトが脳裏を過った。
だけど今はそんなコトより、この体温を抱き締めたくて。
「…じん、」
「ん?」
耳元で低く囁く声が、
「好き、って…言って…?」
堪らなく欲しくなったんだ。
「……やだ、」
甘い掠れを含んだ声色。
「たまには素直になれよ?」
くふって笑って、その背中に腕を回した。
「……結婚したら、言ってやる」
頭上から降ってくる声にまた、ふふっと笑った。
「そしたらKAT-TUNじゃなくなるだろ」
「いいじゃん、和也のKで」
「ばっか、亀梨 仁かもしれねぇじゃん?」
ちょっと膨れて言ったのに
「あのなぁ…」
長い指先が、尖らせた唇を撫でて。
「赤西 和也なの、」
真剣な瞳に、射竦められた。
そんな夢物語を。
だけど最高に嬉しいと思ってるじぶん。
「じん、ワガママすぎ…」
でも、好き、と。
さっきまであんなに寒くて凍えてたのに、ホカホカと暖かい。
夏の終わりの出来事。
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