冷却ボックス AK

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  Side by K.K …――もーいやだ。 ときどき思うコトがある。 仕事に対してとか、恋人に対してとか。 特に何があったワケじゃないんだけど。 「もーいやだ」 目の前には、なんかカラフルな酒。 それと、たっちゃん。 「何が?」 頬杖を着いたたっちゃんが、無意味にマドラーを弄りながら聞き返す。 「んー…別に」 正直、よく分からない。 「なんか、もーいや」 はぁ、と溜め息を吐いて、カラフルな液体を口に含んだ。 「別れちゃおっかなー」 ぽつんと呟いた言葉に、たっちゃんの方眉がピクッと上がる。 「なに?また浮気?」 また、って何だよ。 浮気なんてされてねーよ。…たぶん。 そんなセリフが浮かんだけど、 「別に」 それだけ言って、机上に放置された携帯を手に取って開いてみる。 …――連絡なんて、 こんな丁度いいタイミングで来るワケないだろ。  
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