エルブンガード

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セリアと名乗った彼女は美しい容姿をしており妖精の言語も理解でき、エルフの生まれ変わりだと噂されている。 しかし優秀な知能を持っている理由はなぜか分からずいわば記憶喪失である。 どこから始まった記憶なのか知らない彼女は記憶の源泉を探すため自分の記憶にある場所、エルブンガードに住む。 と言う話を聞かせて貰いながら道を進むと 「着きました、ここがエルブンガードです。」   見るところ辺りは木々がたくさん並んでおりお世辞にも都会とは言えない場所である。   「ここがエルブンガードか・・・。」 そう呟いた矢先男の声が聞こえる。   「もっと街があるとでも思ったか?」   振り向くと、括られた髪、ノースリーブのTシャツ、茶色のつなぎを着ている男がイスに腰掛けていた。 辺りには人も見かけ無いのでなんとなく分かったが念のため聞いてみる事にした。   「あんたがセリアさんが話していたライナスさんか?」   そう言われると男は少し嬉しそうにこう答えた。   「そうよ!俺がアラド大陸1の鍛冶屋、ライナスだ!!」 がーっはっはと笑いながら酒を飲んでいる姿を見るとどうも不安で仕方が無い。   「もう、ライナスさんお酒は体に障るので程々にしてくださいと言ってるじゃありませんか。」 心配そうにお酒を取り上げるとちょっと困った顔をして 「ちょっちょっとまったセリアちゃん!今日はまだ飲んでないって!!」   「そう言いながら昨日も何杯飲んだと思ってるのです。」   「セリアちゃんそりゃないぜ~!!」 そう言いながらライナスはがっくり肩を落とす、本当に心配になってきた。 この男が本当に鬼手について何か知ってるのだろうか。
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