1.芦別岳上空

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左腰に備えられている棒状の装備、その印象は侍の刀、多分そうなのだろう、それ以外の意図が見受けられない、近接格闘用武装を装備していることも聞いた事が無い。   一瞬止まった思考を巡らせ、相手に警告を送る、相手の当該国が不明だった為英語を使い国際緊急周波数121.5MHz及び243MHzに呼びかけた。   「This second-Lieutenant OZAKI Japan self-defense-force, 〈こちらは日本国自衛隊所属御崎三等陸尉である。〉 Your aircraft this infringement of Japan airspace, 〈当機は日本国領空を侵犯している。〉 statement of affiliation and purpose this your aircraft, 〈当機の所属と目的を知らせよ!〉 over! 〈以上!〉」   俺は規則に定められた通りの警告を送るが、相手からの返事は無い、先ほどからの様子から考えて、通信が届いて居ないと言う可能性もあり得るが、今はそんな事を言っている場合では無い、兎に角こいつは領空侵犯している所属不明機なのだ。   「Unknown airplane,Call reply coming! 〈所属不明機へ、応答せよ!〉 This second-Lieutenant OZAKI Japan self-defense-force, 〈こちらは日本国自衛隊所属御崎三等陸尉である。〉 Your aircraft this infringement of Japan airspace, 〈当機は日本国領空を侵犯している。〉 statement of affiliation and purpose this your aircraft, 〈当機の所属と目的を知らせよ!〉 over! 〈以上!〉」   やはり通信は返って来ないし、反応も無かった、だから我に続けという意味の翼を振る合図送ったがそれにも反応をしめさない。   一瞬の静寂の後、突然そいつは、右手で腰に備えた刀を握り、こちらに向け迫って来た、とっさに高度を下げ上を見ると、俺のマヴェリックの有った宙をを白銀に輝く刃が切る。   やはり刀だった、確認している場合では無い、これは確実な攻撃行為だ、どこの誰かは知らないが、防衛行動に移るべきだ。   「司令部! 応答せよ司令部!」   やはり応答が無い、向こうはこちらを撃墜するつもりなのに、こちらは司令部からの許可が無ければ反撃すら出来ない、これが装備は世界一と呼ばれる自衛隊の現状だ。   頭上に刀を構えた緑色の機体はそのまま急降下しながら切りかかって来た、俺はその姿がたまらなく怖かった、ソイツが死神に見えた。
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