1.芦別岳上空

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20mm口径から放たれた弾丸は身をひるがえした奴の鼻先をかすめ左肩へと当たった、左肩に弾が当たった事でバランスを崩した奴は腰を低く落とし着地した。   上半身だけ起こし、爆発の危険が有るフライトユニットを強制排除し、なりふり構わずガトリング砲のトリガを引く、まともにレクティルすら合わさぬ弾が山肌に当たり、積もる雪を巻き上げながら奴にむけ照準が動いていく。   奴は左脇を締めボクシングのピーカブーブロックのように左腕を曲げ、頭部と胸を防御して、そのまま突撃して来る、レクティルが合わさりマヴェリックから放たれたガトリング弾が奴の左腕に当たる、左腕の装甲に弾かれた弾は地面に落ち雪を巻き上げる。   どんどん奴との距離が縮まる、マヴェリックの脚部に装備された6輪のホイールを回転させ、その場から逃げようとするが、山に積もる柔らかい雪を巻き上げる一方で機体を動かすには至らない。   ガトリングが通じないならミサイルしか無い、だがふと思い出したレーダーに反応が無い事を、レーダーに映らぬ敵をミサイルが捉えてくれるだろうか? いや、レクティルは奴を捉えてて居る、つまりマヴェリックのレーダーには見えて居ないがカメラには見えては居るんだ、何を捉えて居るのかは分からない、だがそれに今は頼るしか無い。   奴が迫り刀を振り下ろす前に武器を選択し放たねばならない時間は無い、そして俺は……
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