ワスレナ-君が忘れた君の名-

1/1
前へ
/101ページ
次へ

ワスレナ-君が忘れた君の名-

僕が君と出逢えたことを、 もしも誰かが、 奇蹟だとか、 運命だとか、 そんな言葉で言うとしたら、 それはきっと嘘に変わるよ。 偶然だよ。と言い切れるよ。 奇蹟だったなら、 こうして笑い合えることもなくて、 運命だったなら、 こんな想いなんてしなかったんだよ。 だけど、偶然と呼ぶのは、 なんだか悲しい気がするから。 僕は君と出逢えたことを恋と呼ぼう。 君と笑い合えることを愛と言おう。 なら、この想いはなんて名付けようか? 胸の奥できゅっと何かを締め付けて、 心臓を動かすこの想いを。 僕は知っていた。 君もわかってた。 きっと忘れてしまったの。 だから、うん。 思い出そう。 フタリの鼓動のその名前を。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加