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「あらやだ!こんなに散らかしちゃったわぁ」
ミチコにとってはこの状態は散らかっている程度らしい。
そしてまだ不幸田は鳴咽を漏らしながら震えている。
「うぅ…ここは生き地獄だ…」
そんな彼には見向きもせずにジルは家から逃げ出そうとした。
その時
「あんたちょっと待ちなさい!」
ミチコの怒号が家の中に響く
「なんだよ糞ババァ!」
ジルも大声で怒鳴った。
「次からはドアから入りな。飯くらいは用意してやるからさ」
先程までの剣幕が嘘のような優しい笑顔で言うミチコにたいして、わずかな沈黙の後にジルは口を開く
「お前も次からはもっとマシな飯を作ってろ。」
二人の奇妙な友情が芽生えた瞬間だった。
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