第1章

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「じゃぁみさとと結婚できるね。」 健太くんはニコニコしながら言った。 「まぁそうだね。」 私は12年後は30歳でたぶん結婚しているだろうなと思ったが、健太くんが泣き出したら困るので一応返事をした。 「ぼくが18才になったらおよめたんになってね?約束だよ。」 「あはは。約束ね。」 すると健太くんが小指を出してきた。 「何?」 「指切りだよ。知らないの?」 「知ってるよ。健太くんより何年も生きてるんだから。 じゃあいくよ。せーのっ指きりげんまんウソついたら針千本飲ーますっ指きった」 健太くんの手は小さかった。 私はこの時単なる子供の戯言だと思っていた。
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