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光兄さんに貰ったシルバーの十字架がついた細いヘアピンで前髪を止めて、家を出る。
目的はただ一つ。お気に入りのカフェのケーキを買いに行くのだ。
町は人がうじゃうじゃしていて、煙草や排気ガス、混じった人の声に思わず吐き気がした。
「ねえ、そこのショートの君。もしかして一人?」
急いでカフェに行こうととしたら、肩を掴まれた。
振り返って見ると、知らない人達がニヤニヤと笑っていた。
「なんですか」
「うわっ、超美人。つか外国人か、ハーフなの。あ、わかったモデルじゃね。そうだそうだ、ねえ俺達と一緒に遊ばない」
知らない男の人達は私の顔を見てさらに気持ち悪く笑った。
「嫌です。さようなら」
気分がかなり悪くなった私は、肩に乗っていた手を振り払って、走って人ごみから逃げ出した。
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