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「ねえ、あの人すっごいかっこよくない?」
「ほんとだ…モデルか何かかなぁ?」
「えっ、ちょっと…こっち来るよ?!」
慌てたように言った女の子の声につられて、顔を上げる。
「ごめん、待たせて」
「あ……」
か、かっこいい人って淕さんのことだったのか!!
普段は職業柄スーツを着ているが、今日の鷺澤はラフな格好だ。シャツと細身のパンツといった、至ってシンプルな出で立ちだが逆に鷺澤のスタイルの良さが際立って見える。
思わず見惚れてしまい、ただ目の前の鷺澤を見つめるだけになる。
我に返って、ちらりと隣りを盗み見ればうっとりと見惚れる女の子達。その子達だけでなく、そこにいるほとんどの人の視線を集めていた。
「綺?怒ってる?」
「へ?いえ、そんなっ…い、行きましょう!」
待たせたから怒っているのかと心配する鷺澤に違うと言って、勢い良く立ち上がる。
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