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それはなー君の声。
私と同様に、皆も驚いた表情を浮かべているのが見てとれた。
いきなり転校してきた子に、怒鳴られたりしたら普通、驚くだろう。
私達のように――…。
「枝島君、怖いよぉ……」
今度は未姫の声。
少しこれは震えている……ような気が、私にはした。
「…あ、ごめん……」
それを聞いて素直に謝る、なー君。
無意識だったのか、頭を掻いている。
皆が驚いた訳はなんなく分かる。
自己紹介の時のなー君のイメージと、そう全く違のだ。
昔も怒鳴るなんて事はなかったのに………。
そんな事を私が考えていると、運が良い事にチャイムが学校に鳴り響いた。
皆はそれを聞いて、自分の席へと帰って行く。
ふぅ、良かった……。
私はチャイムに密かに、御礼を言いながら、先生が来るのを待った――…。
私はまだ、気づいていなかった。
この先、瑛ちゃんと私の間に亀裂が入っていく事を………。
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