1. 私と幼なじみ

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  それはなー君の声。 私と同様に、皆も驚いた表情を浮かべているのが見てとれた。 いきなり転校してきた子に、怒鳴られたりしたら普通、驚くだろう。 私達のように――…。 「枝島君、怖いよぉ……」 今度は未姫の声。 少しこれは震えている……ような気が、私にはした。 「…あ、ごめん……」 それを聞いて素直に謝る、なー君。 無意識だったのか、頭を掻いている。 皆が驚いた訳はなんなく分かる。 自己紹介の時のなー君のイメージと、そう全く違のだ。 昔も怒鳴るなんて事はなかったのに………。 そんな事を私が考えていると、運が良い事にチャイムが学校に鳴り響いた。 皆はそれを聞いて、自分の席へと帰って行く。 ふぅ、良かった……。 私はチャイムに密かに、御礼を言いながら、先生が来るのを待った――…。 私はまだ、気づいていなかった。 この先、瑛ちゃんと私の間に亀裂が入っていく事を………。  
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