2. 放課後

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
  「おーい、苺、行こうぜ!」 掃除や集会が終わり、今日はもう帰る時間。 なー君は、掃除中や掃除の後などは質問責めにあっていた。 どうやら怒鳴り声の事は、皆は忘れる事にしたらしい。 「おーい、苺ー?部活行かねーの?」 「あ、ごめん、行く!」 私と瑛ちゃんは、最初の方に述べたように同じ部活。 だから、私達は毎日のように部活も一緒に行くのだ。 そして私は瑛ちゃんと一緒に、教室を出ようとした時――…。 ――ガシッ! 私の左腕を掴む、手が――…。 「ちょっ、あ、へ?」 右手は瑛ちゃんと手を繋ぎ、左腕は引っ張られている。 瑛ちゃんは。私が腕を掴まれているのに気づいていない。 そしては真ん中……と言う事は? 「……っ! ちょっ、痛い!」 そう、お互いに引っ張られている、だから痛いのだ。 「あ、苺、大丈夫か?……――って枝島、お前何、苺の腕掴んでんの?」 私の左腕を掴んでいたのは、なー君。 ――…ってそうじゃなくて! いや、それも重要だけど、今はもっと重要な事が……。 それは瑛ちゃん。 普段全然怒らない瑛ちゃんが、少し怒り口調なのだ。 ピリピリした感じが、手を伝わなくても伝わってくる。  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!