2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「おーい、苺、行こうぜ!」
掃除や集会が終わり、今日はもう帰る時間。
なー君は、掃除中や掃除の後などは質問責めにあっていた。
どうやら怒鳴り声の事は、皆は忘れる事にしたらしい。
「おーい、苺ー?部活行かねーの?」
「あ、ごめん、行く!」
私と瑛ちゃんは、最初の方に述べたように同じ部活。
だから、私達は毎日のように部活も一緒に行くのだ。
そして私は瑛ちゃんと一緒に、教室を出ようとした時――…。
――ガシッ!
私の左腕を掴む、手が――…。
「ちょっ、あ、へ?」
右手は瑛ちゃんと手を繋ぎ、左腕は引っ張られている。
瑛ちゃんは。私が腕を掴まれているのに気づいていない。
そしては真ん中……と言う事は?
「……っ! ちょっ、痛い!」
そう、お互いに引っ張られている、だから痛いのだ。
「あ、苺、大丈夫か?……――って枝島、お前何、苺の腕掴んでんの?」
私の左腕を掴んでいたのは、なー君。
――…ってそうじゃなくて!
いや、それも重要だけど、今はもっと重要な事が……。
それは瑛ちゃん。
普段全然怒らない瑛ちゃんが、少し怒り口調なのだ。
ピリピリした感じが、手を伝わなくても伝わってくる。
最初のコメントを投稿しよう!