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そんな事を考えていると、アハハハ!という笑い声が隣から聞こえてきた。
これは……そう、琉羽の笑い声。
私は机から少しだけ顔を上げて、――チラッ、と隣を見ると、お腹を抱えて笑っている琉羽が目に入った。
あぁ、きっと瑛ちゃんから、さっきの全力疾走の話を聞いたのだろう。
それにしても、そんなに笑う事じゃない気がする……のは私だけか?
「アハハハ、苺、最高ーッ!今日の一番のツボだよ!」
「まだ、今日は始まったばかりだよ?」
「良いの良いの、決定ーッ!」
私のツッコミも無に帰り、何だか分からないが、いつの間にか今日の笑いのツボに認定されてしまった。
琉羽ってよく分からないな、まぁ、何時もの事だけど。
はぁー、と何に対してかは分からないがため息が出た。
私は息も整って来たので、机から顔を上げる。
瑛ちゃんもどうやら、息が整ったらしく顔を上げていた。
「あ、それより苺。今日転校生来るんだってよ」
「あぁ、そうみたいだね。瑛ちゃんに聞いた」
「男だって!さっき職員室で話してたの聞いたんだ!」
嬉しそうな表情をする、琉羽。
そんなに男が嬉しいのか、そんなに男が嬉しいのか?
何故か二回、自分の心の中で質問を繰り返していた私は、その質問を琉羽にしてみる事に……。
「そんなに男が嬉しいの?」
「こんな微妙な時期に転校して来る男の子は、カッコイイと相場が決まってるの!」
そうだった、コイツは無類の――…漫画好きだった。
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