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「じゃぁ、入ってきて」
森崎先生は、教室の外にいるだろう人物に声をかける。
その声を聞いて、――ガラッと扉が開いた。
入って来たのは、茶色のクルクルとした髪の毛を持った可愛いらしい男の子。
可愛いもの好きな私は、瞬時に反応してしまう。
ヤバイ、可愛い!
そんな可愛いらしい男の子は、――ツカツカ、と教卓に歩いて行く。
そして教卓まで来ると、――カッカッ、と黒板に文字を書き始めた。
“枝島那都(エダシマナト)”
どうやら彼の名前らしい。
あれ?と私は首を傾げる。
私はこの時、変な感じがしたからだ。
何処かで聞いた事があるような……、そんな思いにかられる。
私は枝島君を――ジッと見つめた。
んー、やっぱり何処かで見た事あるなぁ。
「枝島那都です。好きな事は寝る事と、美味しいものを食べる事!皆、なんか美味しいもの情報があったら教えて下さい!」
んーと、何処かで………見た事がある筈。
私は枝島君の話も聞かずに、うーんと首を傾げていた。
「後前までは、この辺に住んでました。あ、宜しくお願いしますッ!」
――パチパチ、拍手が教室に響き渡る。
私はまだ頭を傾げて悩む。
そしてチラリと転校生をもう一度確認しようと、目線を転校生に向けて見ると………
転校生が私に向かって歩いてきた。
何故こっちに!?と私は焦っていたが、途中、あぁ、と納得した。
私の後ろの席は空席。
だから転校生がその場所に座るのだろう。
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