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――パチッ、目線が枝島君とぶつかり合う。
私はニコッと笑顔を浮かべてみた。
これは話をかけた方が良いのかだろうか?
そんな事を考えていると、私はふと視線を感じた。
どうやら枝島君はジーっと私を見ている様子。
――……ん、一体何だろ?
私はこの時、隣にいた瑛ちゃんが顔をしかめていたのに、全くもって気付かいていなかった―――……。
「………んー、何処かで君見たことがあるなぁ?」
転校生―…枝島君が私を見て――ポツリとそう漏らす。
あれ、枝島君も?と思うが、私はあえて口には出さない。
何だか言わない方が良いのではないか?と感じたからだ。
数秒の間の後、あぁー!!、と枝島君が声を上げた。
「君、苺っちでしょ?んー、覚えてない?俺だよ、俺!昔、よく遊んだじゃん!」
「あ…もしかして、なー君?」
「そうそう!うわぁ、会えるとは思わなかったよー」
そうだ、思い出した。
この子は私がよく、なー君と呼んでいた子。
昔、枝島君―…なー君とは、家が隣同士だった。
それでよく遊んだりした、と言う訳だ。
けど転校すると手紙で残して、何処かに転校していった。
それ以来連絡もとりあっていない。
だから、自分の記憶から薄れていってしまったらしい。
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