1. 私と幼なじみ

7/10

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
  ――パチッ、目線が枝島君とぶつかり合う。 私はニコッと笑顔を浮かべてみた。 これは話をかけた方が良いのかだろうか? そんな事を考えていると、私はふと視線を感じた。 どうやら枝島君はジーっと私を見ている様子。 ――……ん、一体何だろ? 私はこの時、隣にいた瑛ちゃんが顔をしかめていたのに、全くもって気付かいていなかった―――……。 「………んー、何処かで君見たことがあるなぁ?」 転校生―…枝島君が私を見て――ポツリとそう漏らす。 あれ、枝島君も?と思うが、私はあえて口には出さない。 何だか言わない方が良いのではないか?と感じたからだ。 数秒の間の後、あぁー!!、と枝島君が声を上げた。 「君、苺っちでしょ?んー、覚えてない?俺だよ、俺!昔、よく遊んだじゃん!」 「あ…もしかして、なー君?」 「そうそう!うわぁ、会えるとは思わなかったよー」 そうだ、思い出した。 この子は私がよく、なー君と呼んでいた子。 昔、枝島君―…なー君とは、家が隣同士だった。 それでよく遊んだりした、と言う訳だ。 けど転校すると手紙で残して、何処かに転校していった。 それ以来連絡もとりあっていない。 だから、自分の記憶から薄れていってしまったらしい。  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加