出会いはベタに曲がり角

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出会いはベタに曲がり角

 今、俺はとある高校の校門の前にいる。そして、息を切らして膝が大爆笑中だ。今日は高校の入学式なのだが、受験の間部活もやらずに勉強に勤しんだこの体は、急激な運動に耐えられるわけがなかった。  何故こんなにも息を切らしているのか、俺にもいまいち理解できない。簡潔的に言うなら、恐怖が目の前に現れたからだろう。  素敵に無敵に絶対に、完全なる視覚の外。いわゆる死角である。 そんな死角。それが故にこんなにも驚きの、Mマークの赤帽子をかぶった妙に高い声を出す、良い年こいたおっさんも真っ青になる、ベッタベタな展開になるなんて思わなかった。  それはおおよそ五分前になる。今日は高校の入学式。俺は勿論、登校時間の三十分前には身支度を済ませ、いつもの習慣である、朝の星座占いの結果発表を見ていた。 結果は一位、その嬉しさで、テンションMAXになった俺は、鼻歌気分で高校へと向かっていた。  憎むべきは、曲がり角が高校への道のりに含まれていたことだ。
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