出会いはベタに曲がり角

8/22
前へ
/75ページ
次へ
「どっせーい!」  ……俺は合掌をした。 風船が割れるよりも綺麗な音が、ぱちーんって綺麗な音がした。 俺、合掌で良い音鳴らす大会に出たらチャンピオンになれるんじゃね? って程良い音がした。  勿論、みんな呆然。超唖然。 でも気にしないよ! 彼女も思わず顔を上げてこちらを見ている。 口半開き。そんな状況。 でも、今しかないよね。 「ちょっと廊下で話しませんか?」 「…………」  うん、沈黙。 超沈黙。 超超超超沈黙なんですけどぉぉぉぉ!  俺は頑張った。勇気を見せたさ。なのに、沈黙って。 もういい! もういいよ! 怒っちゃうもん。ぷんぷん。 ……キモい。  とりあえず、俺は廊下に出ることにした。 と言うか、まだ殆ど入ってなかった。  俺が教室から出ると、彼女もおずおずと、教室からついてくる。 「えーっと、あなたの用事はなんですかい?」  まずは聞いてみた。一応聞かんことには始まらんしな。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加