亜樹

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雨だった。 カーテン越しからでもわかる曇り空に、昨日の夜中から降り出したまま、上がってなかったのかと思った。 ズルズルとベッドの中で時間が過ぎてゆき、シーツを擦る音だけが部屋で響いている。 「行きたくない。優里の結婚式なんて」 そうクチに出してもムダだと分かり、グズグズと支度を始めた。                             
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