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校内および寮内イベントの企画運営は、全て生徒主体。
生徒会が全てを取り仕切ることになっている。
つまり、教師の一人すらもここにはいないという事だ。
そんな状況で生徒たちのテンションが下がるわけもなく、歓迎会は盛り上がりを見せていた。
辛うじて参加だけはしているといった感じの雨流と本間は、騒がしくなっていく生徒たちの群れから離れて、壁際に陣取っていた。
だが、校内模試で首位独走の天才的頭脳の持ち主目当てに集まってくる文化部の面々は数知れず。
隣に立つ雨流にビクビクしながらも、本間への勧誘の手が止む気配はない。
「はぁ……。
蒼葵の隣にいれば少しは違うかと思ったけど、あまり変わらないなぁ」
どうやら本間は、雨流にくっ付いていれば鬱陶しい勧誘から逃れられると算段していたらしい。
しかし思ったほど効果が得られず、声には少なからずの落胆が含まれていた。
そんな本間に対し、もともと寄せていた眉間の皺を更に深く刻みながらも、さして感情のこもらない口調で雨流が言い返す。
「そんなもの知るか。
勝手に人を案山子代わりにするな」
「あははっ。
いいね、カカシ」
雨流の言い回しが気に入ったらしい本間は、ケタケタと笑い転げる。
「ふふっ。
それにしても、蒼葵はお声が掛からないようだけど?」
ひとしきり笑って、乱れた呼吸を整えながら本間が口にした疑問は、当然のものだった。
基本的に武道全般を得意とする雨流だが、その運動能力は誠藍一と言っても過言ではないだろう。
バスケ、バレー、サッカーetc…、何をやらせてもソツなくこなすどころか、どの運動部員よりも才能があると思わせる全能ぶり。
運動部の連中からすれば、喉から手…、いや、腕が出てもおかしくないくらいに欲しい人材のはずだった。
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