第一章 穏やかな日常

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 俺はここで今までの違和感を聞くことにした。 「君は一体何者なんだ?」  貴一は不機嫌そうな顔になった。 「修二は失礼な事を聞くんだね。僕は妹を大切にするただの高校生だよ。」  なんの慌てることなく自然に言ってきた。嘘もなさそうに聞こえた。 「そうか、ごめん。変な勘違いをしていた。」 「謝ってくれるなら別にいいよ」 「それにしても、貴一は妹を大事にするな」 「ああ、だって…いや、やっぱりやめておく」  貴一が言葉をにごしたけど、俺は深くは追求しなかった。 「じゃあここにお金置いていくから、お先に。面白い話ができたよ。」  貴一が席を立ち上がった。 「おう、またな」  俺がそういうと貴一は喫茶店を出ていった。机を見てみると、二人分の値段のお金が置いてあった。 「あいつ、結局奢るのかよ」  俺はまた呆れた。    そして今日、五月十五日が終わった。
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