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俺はここで今までの違和感を聞くことにした。
「君は一体何者なんだ?」
貴一は不機嫌そうな顔になった。
「修二は失礼な事を聞くんだね。僕は妹を大切にするただの高校生だよ。」
なんの慌てることなく自然に言ってきた。嘘もなさそうに聞こえた。
「そうか、ごめん。変な勘違いをしていた。」
「謝ってくれるなら別にいいよ」
「それにしても、貴一は妹を大事にするな」
「ああ、だって…いや、やっぱりやめておく」
貴一が言葉をにごしたけど、俺は深くは追求しなかった。
「じゃあここにお金置いていくから、お先に。面白い話ができたよ。」
貴一が席を立ち上がった。
「おう、またな」
俺がそういうと貴一は喫茶店を出ていった。机を見てみると、二人分の値段のお金が置いてあった。
「あいつ、結局奢るのかよ」
俺はまた呆れた。
そして今日、五月十五日が終わった。
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