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いつもの教室、先生が前に立ち、さようならと終わりの挨拶をした。
「あ~やっと終わった」
隣から声がかかる。
「何言っているんだよ。光輝はこれから部活だろ?」
光輝は俺の数限り少ない友達の一人だった。
「昨日やめた」
「ってお前またかよ!この前、剣道の県大会で優勝したばかりだろう」
光輝はどのスポーツや格闘技やっても才能を示しすごい成績を残すが、長続きしないのだ。それでもまたあさるように違うスポーツや格闘技をやっていく。
「ある程度極めた物に興味はないんだよ。それに何もやってない修二(しゅうじ)よりはましだろう。」
「俺は訳ありなんだよ」
「訳ね…俺はそんなに気にしなくていいと思うぞ?」
「いや俺は気にするよ。」
「…まあいいや。それより修二、今日付き合えよ」
「どっか行くのか?」
「この町を調査する」
「は?」
「修二、この町の伝説知っているか?」
「ああ、確か『世界を紡ぐ者』だったっけ?」
「おうそれ。」
「なんでまた?」
「男たる者伝説という響きは心を揺さぶるじゃないか。」
その言葉を聞いた一人の男が会話に混ざって来た。
「俺、その伝説なら家が寺やっているから詳しいよ」
「お!月平(つきひら)か。こりゃ心強い仲間が出来た」
「よろしく」
月平という男は微笑んだ。俺と月平は同じクラスだがあまり話さない。月平は顔立ちがしっかりしていて、頭がきれそうな雰囲気をしている。俺はそんな月平に聞いた。
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