第一章 穏やかな日常

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 いつもの教室、先生が前に立ち、さようならと終わりの挨拶をした。 「あ~やっと終わった」  隣から声がかかる。 「何言っているんだよ。光輝はこれから部活だろ?」  光輝は俺の数限り少ない友達の一人だった。 「昨日やめた」 「ってお前またかよ!この前、剣道の県大会で優勝したばかりだろう」  光輝はどのスポーツや格闘技やっても才能を示しすごい成績を残すが、長続きしないのだ。それでもまたあさるように違うスポーツや格闘技をやっていく。 「ある程度極めた物に興味はないんだよ。それに何もやってない修二(しゅうじ)よりはましだろう。」 「俺は訳ありなんだよ」 「訳ね…俺はそんなに気にしなくていいと思うぞ?」 「いや俺は気にするよ。」 「…まあいいや。それより修二、今日付き合えよ」 「どっか行くのか?」 「この町を調査する」 「は?」 「修二、この町の伝説知っているか?」 「ああ、確か『世界を紡ぐ者』だったっけ?」 「おうそれ。」 「なんでまた?」 「男たる者伝説という響きは心を揺さぶるじゃないか。」  その言葉を聞いた一人の男が会話に混ざって来た。 「俺、その伝説なら家が寺やっているから詳しいよ」 「お!月平(つきひら)か。こりゃ心強い仲間が出来た」 「よろしく」 月平という男は微笑んだ。俺と月平は同じクラスだがあまり話さない。月平は顔立ちがしっかりしていて、頭がきれそうな雰囲気をしている。俺はそんな月平に聞いた。
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