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「親父と狩りに出るのも久し振りだな」
けっして乗り心地の良いとは言えない馬車から体を乗り出し、鉛色の髪を風になびかせながら17の少年、ツバキは言った。
「そうですね。あのディアブロス以来ですか」
少年が「親父」と呼ぶ男、ロイ・シュバルツは答えた。
ハンターとしてはスラッとした感じの体型で、長く伸びた茶色の髪を風に揺らしている。
ロイの口調が敬語なのは彼のクセのようなものだ。
今回は初心者ハンターの教育、狩り場になれさせる。という目的で、<ネリネ>という名の付いたジャングルに向かっている。
「飛竜とか、いるんでしょうか?」
ツバキとは1つしか変わらないが初心者である、ジン・クロスは臆病そうにツバキに聞いた。
ジンは村から出たばかりの初心者だが、村付近に生息する飛竜の討伐経験もあり、装備も<ランポスシリーズ>に身をつつんでいる。
ランポスとは小型の肉食であり、青い鱗に身をつつんだトカゲのようなモンスターだ。単体ではそうでもないが、複数を相手にするのは厄介である。
それ等を踏まえてもジンのハンターとしての実力は初心者の割りに低くはない。とツバキもロイも思っている。
「今回行く狩り場は飛竜の目撃情報な無いから、大丈夫だろ」
ツバキはジンの質問に笑いながら答えた。
ツバキの装備は「空の王者」と呼ばれるリオレウスの甲殻から作れる<レウスシリーズ>を揃えている。
武器や防具などの装備はハンター本人の強さを表しており、当然強力なモンスターの素材を使った装備が強い。
「絶対にいない。とは言い切れませんよ」
ロイはジンをからかうよに微笑みながら言った。
ロイの装備は砂漠に生息する飛竜、「二本角」ディアブロスの甲殻から作った<ディアブロスシリーズ>である。
からかうのは止めろよ。とツバキが言うと、ロイは笑って返した。ジンも安心したように胸を撫で下ろした。
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