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「くそ、やられたか」
アーチャータイプのあるパイロットが一人事を漏らした瞬間にマシンガンの攻撃で爆発した。
悠斗はそんな光景を建物の陰から見ていた。数からして有利なはずの自衛軍側がたった数分で不利な状況になってしまうからだ。なんだよあのARと思っていた。
敵は最後の1機を三方向で囲みランスで串刺しの形にした。3機は離れた後に爆発した。敵ARは、再び見回している。
「軍用機をあんな簡単に仕留めたのかよ」
悠斗は開いているシェルターを探していた。もうこんな状況にもなればほぼ締め切っているが少ない希望を信じて走り出す。
だが、敵も馬鹿ではないことを改めてわかった。何故なら、走っている悠斗を見つけたからだ。そんなことは悠斗も知らない。
敵の1機がいきなり悠斗の前で着地する。悠斗は急な突風で走っていた足を止める。
「うそ・・・・・」
敵は右手で悠斗を捕まえようとしていた。その部分だけ悠斗はスロー映像のように見えている。
その時、その腕が機体ごと横へ吹っ飛んで行った。それは、一瞬の出来事であった。自衛軍ですら太刀打ち出来なかったあの敵が簡単に飛ばされるからだ。悠斗はそんなことでただ驚いているだけだった。
目の前には今まで見たARとは全く違うもので、多少筋肉質のような形になっている。関節部分には余計な装甲はなく、機構も全く違う。
そのARは、胸部辺りから乗降用のワイヤーを出して来た。悠斗は乗れと言うのかと思っている。
(緊急事態だ、大丈夫だろう)
ワイヤーに片足をかけてワイヤーに捕まると勝手に上がり始める、胸部にあるコックピットハッチが開く。中は一面真っ黒だった。
「誰もいないか。よし」
悠斗は中に入ると調度座った場所がシートだった。操縦桿の場所を確認して正面にあるモニターに不思議とタッチした。すると起動画面に入り機体名が現れた。
「エクスカイバーというのか」
真っ暗だったコックピットに外の映像が壁一面に映し出されていく。
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