第1話 覚醒

10/11
前へ
/25ページ
次へ
オールビューモニターだったこのコックピットは、座席が空に浮かんでいる感覚になる。各種パラメーターや情報を表示しているお陰でここが中であることは確認できた。 だが、敵は待つ暇もなくマシンガンで攻撃をしてくる。 「うお、やばい」 エクスカイバーは上に大きくジャンプすると敵を見下ろせる程まで上がった。正面のモニターを操作して武装を探す。機体をかたどった図が現れスカートアーマーの後ろにあった。 「これしかないのか」 格闘兵器と表示されたそれを右手に装備し起動すると光の線が一本現れた。剣を思わせたる武器はビームサーベルとよばれる。 地面に着地すると共に敵機を半分に縦半分に切り後ろに下がった。敵はビームサーベルの熱により誘爆していき爆発した。 「軍の新型兵器か?」 残りの敵は距離を置きながらマシンガンで攻撃をしてくる。エクスカイバーはブースターで接近、機体の随所に付いてある補助ブースターを使い流れ弾を回避する。 敵の一機がマシンガンからランスに変えて接近する。その様子は一騎打ちのような雰囲気を思わせる。 エクスカイバーのコックピットの中はGの嵐だった。 「ぐ・・・・・」 ゲームやアニメみたいにうまくはいかないと痛烈に感じてしまう悠斗、なにより空気が全く違う。 全ARのシートの構造では耐G機能はついているが、それはパイロットスーツを着ている時に発揮されるものなので私服で動かしている悠斗は厳しいものがある。しかし、悠斗はそれでも敵に接近していく。 エクスカイバーと敵機は交えるところまで来た。エクスカイバーは、敵のランスごと横一文字に斬った。 残りの敵はあと一機。悠斗は再び構えて対峙している時、敵は携行グレネードを2、3個ほど投げてきた。 「うわ、なんだ?」 空中で爆発したために視界が遮られてしまう。エクスカイバーは後ろに下がる。 しかし、そこには敵はいなく東の方へと飛んで行った光景を見た。スクリーンの一部に拡大映像が現れ、敵の逃げていく様を悠斗は見ていた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加