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少年は、あどけない足付きで帰っていく。
制服は、やぶけただれている
顔はもちろん体中がぼろぼろである。
見ていく人々は変な目で見られる。
今日も殴られたが今日は1番酷い。
(はあ・・・・・)
何より1番辛かったのは、友人から裏切られたことであった。友人の中で1番親しい人なのでショックは大きい。
少年は歩いていく。
高度8000m付近。
人型を模様した兵器が飛行していた。コックピットの中には、少女がいる。
通信が入って来た。
「調子はどうだ?志乃」
男の声だった。志乃と呼ばれた少女は応える。
「大丈夫、さすが新型ったとこかな」
「あまり無理はするなよ。下は住宅街だからな」
「了解」
男がいる部屋は比較的大きく、大小さまざまやディスプレイや機械が並んでいる。人数は20人程度。男は、目の前の大型ディスプレイを見ていた。一人の女性が報告する。
「現在同調率70%です」
男は関心する。
「ふむ、なかなかだな。このまま無事で終わって欲しいが・・・・」
志乃は、コックピットで下の風景を見ていると公園にいる少年に目が止まる。
(さすが新型、こんなところまで見えるとは)
その時、彼女に異変が起きた。体に痛みが生じる。
(くっ・・・なに・・・・このかんじ・・・)
志乃は痛みに耐える。その瞬間脳内に大量の情報が流れる。
(え・・・・・なにこの人・・・)
志乃の中には、あの公園にいた少年がいた。
その瞬間、志乃は意識を失った。
男がいる部屋にもその情報がくる。
「同調率低下。機体制御が出来ません!」
「パイロット意識がありません!」
男性オペレーターが付け加える。
「落下地点は?」
男は冷静に応える。
「月の宮公園です」
「民間人はいるか?」
「一名。学生服を着ています」
「くそっ。避難指示は間に合わないか」
その頃、少年は公園を歩いていた。
(ああ~、なんでこうされなきゃいけないんだよなにも悪くないのに)
少年は上から落ちてくるのも知らずに考えている。
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