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とあるマンションの一室。
少年は目覚めると見慣れた天井が視界に入った。
(あれ、なんで俺の部屋にいるんだ?確か、頭上に何かがぶつかったょうな気がするが・・・・・)
その部屋は暗く、窓から月の光が多少差し込んでいる状態だった。
少年は体を起こして周りを見渡す。机、パソコン、ラック等全て少年の物だった。つまり、ここは少年の部屋である。ご丁寧にも破れた制服は畳んである。
「俺の部屋か・・・・・・公園にいたはずだが何故だ?」
少年は視線を下に向けて見回すと枕の傍に携帯端末機があったので画面を見た。
“4月30日AM2:00”と表示されてあった。あの時から1週間は眠っていたようだ。着信は無く、勿論メールも来ていない。
「1週間ぐらい眠っていたんだ。なんでだろう、記憶が結び付かない・・・・・・そういえば」
少年は、意識が無くなる寸前で見たことを思い出した。あの、少女が問いかけていたあの夢のことを。
「結局誰だったんだろう?あの人」
携帯端末機でインターネットに接続。トップページにニュースの項目があるので見てみる。
(たしか、公園に墜ちたものは規模からして大きいものだ。たとえ、ARだとしてもニュースには載るはずだ)
だが、どんなに見てもそういうニュースは一つもなかった。
(ない、どうしてなんだ?)
陽射しが部屋に入った頃、自室を出た少年。多少寝ぼけた顔をしつつ洗面所に向かう。
少年の名は篠原悠斗。中学3年生で現在は家族4人でマンションに住んでいる。父親は、AR関連の技術者として月に働いており母親は、それに付いて行った。上に姉がいるので家のことは姉に任せている。だが、その姉も出張続きで帰っていない。
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