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胸部には同じく整備員が数名集まり何か話し合いながらパソコンを弄っていた。
他にも、下で電動カートより2周り大きい電動車でARの部品を運んでたり現場に指示を出す人も数名いる。
「そのあたりで停めてくれ」
所長は、運転していた整備員に言うとカートは停まり荷台から降りる。更に、その奥へと進むと公園に墜ちたあのARがあった。
筋肉質なフォルム、無駄を省いたスタイル、動きが激しい部分には邪魔をするような装甲は無かった。
所長は、一人の幼女に話し掛ける。
「主任、解ったことはあるか?」
主任と呼ばれた白衣を来た幼女は、ノートパソコンを操作してあるデータを表示した。
「え~と、まず制御系には問題がありませんでした。あと、動力にも問題無く外部コンデンサの残量では当時は多少道草しても問題ありません。ですが・・・・・」
幼女は違うデータを表示して「これなんですけど」と言いながら所長に見せた。
「なるほど」
「そうなんです。脳波の交信があったとコンピュータにありました」
幼女が所長に見せていたのはデータロガーだった。機体の各動作を履歴として残されている。
「彼女以外にも脳波が高いのがいるのか」
「私はその分野に関しては詳しくはないのですが、もしかしたらいるかもしれません」
「あと・・・」主任は険しい表情になりデータロガーを表示している画面をタッチして一部の部分を拡大した。
「この部分なのですが、パイロットが意識を失う30秒前です」
「ここがどうした?」
所長は、この部分を見てもわからないようだ。勿論、主任自身も解らないところもあるようだ。
「パイロットは、住宅街に落下しないように水平飛行装置を作動していました。ですが、機体の高度を下げた記録も無く任意に装置を解除した記録もありません」
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