ACT.ZERO

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  ひな『天候良好晴天。気温適温条件最高。  ………こんなにいい日がサイゴだなんてなぁ。』 (前半は淡々と、後半から少し残念そうに)   N『少女はとあるビルの屋上にいた。長い髪を風が揺らす。』   ひな『一度決めたことを覆すつもりはないし、今更出来ないし未練だって残ってないからやらないけど、どうせならもっと、こう、どんよりとした曇天の日とか、台風の只中の方が良かったのにな。』 (残念そうに)   大和「もうそろそろ…かな。」   ひな「高い…な。ちゃんと終われるかな?」 (ため息交じり)   N『ひゅうっと強い風が吹き、少女の体はフェンスの外へと落とされた。』   ひな『あ、落ちる。まるで、誰か違う人になって私が落ちていくのを見ているみたいに、私の脳裏にはその映像が鮮やかに映し出されていた。』   大和「…っと、危ない危ない。出遅れた。」   ひな『何かに抱きとめられ、閉ざしていた目を開けば、男の人の顔があった。』   大和「ちょっとこちの世界に来てもらうよ。ごめんね?」   ひな「え、ちょ…っ、あな……」 (急にふっと途切れさせて)   N『ガクッと少女の意識が落ちたのを確認すると、青年は彼女を抱きかかえたままふっと消え去った。』  
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