1:嵐の前の静けさ

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「西条、コレ美術の授業で先生が渡せって」 オレから沈黙を破った。だって、席についてる西条の目の前で机の上にスケッチブック置いてくるわけにはいかねーだろ。 「ん、ありがと」 西条はオレの顔も見ないでスケッチブックを受け取った。 …くそ、なんて奴だ。美術の時間、オレが孤独と戦ってどんなに惨めだったかわかってんのか?
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