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「遠慮しなくていいから。ハイ!」
オレはムリヤリ折りたたみ傘を押しつけた。
「あ、名前!」
カバンを頭にかざして走りだそうとしたオレをガキンチョは呼び止めた。
「あー…、二年の宮下奏っす」
多分明日にでも返しにくるだろ…と推測したオレは丁寧に学年まで教えてやった。
「みや…した?」
ガキンチョが目を大きく見開いた。
え?オレなんか言ったか?
「あの…なに?」
白い目で見ていたオレに話しかけられ、はっと我に返ったガキンチョ。
「ううん、なんでもない!またね、奏先輩♪」
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