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「はぁぁ...」
学校は楽しくない。
いや、友達はいるし、勉強も解らない訳じゃ無いんだけれど、お兄ちゃんが頑張っているんだ。
私も、早く働きたかった。
それで、皆に楽をさせてあげたい。
女の私が手っ取り早く稼げる方法なんて限られているけど、別にそれでもいいと思ってる。
お兄ちゃんが怒るから、していないだけだ。
「理香ちゃん」
「あ...高橋くん」
無意識に頬が熱くなる。
私が好きだった、高橋くん。
何となくお兄ちゃんに似ていて、入学してからずっと気になっていた。
でも実際は、最近フラれたばかりなのだが...
「なんか最近元気無いよ?
悩みなら、僕に相談して?」
「あ、うん...ありがと」
やっぱり、その事か。
何人も友達にその話をされたし、鏡を見てわかる、若干やつれた私の身体。
お兄ちゃん程じゃないにしても、私はパパの事で後悔していた。
私がもっと早く気付けていれば。
病院に連れて行っていたら。
パパは死ななかったかも知れない。
今更何を考えた所でパパは戻って来ないけれど、そう考えずに居られなかった。
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