手を繋いで

天災少女

（このまま恋人同士になっちまうんじゃね～か、オイ～！）

食べ物の味なんか覚えちゃいない。
早く次の手を考えなければ、このまま終わってしまう。

「あ、あ、あのさ…良ければキャ…キャラオケ行かない？」

「キャラオケ？……いいよ！」

心の中で（リーチ！）と叫ぶ。
戦場はカラオケ店に移行し、夏矢はラストスパートをかける。

「真璃夜さん、歌ウマイなぁ～」

「そうかな～？ 夏矢君の方が上手だよ」

周りから見ればこの二人は恋人同士にしか見えない。
そう思われているだけで幸せな夏矢。