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「百花お嬢様、起きて下さい。」
『ん~っ、あと五分……。って、葛城さん?』
「はい。左様でございます。」
あぁ、そうか。
起こしに来てくれたんだわ。
ギシ……
ん?なに?何か、重っ。
私は寝ぼけた頭で必死で今の状況を考えた。
目を開けると、葛城さんの顔が超アップで近づいてくる。
「え?か、葛城さんっ?」
『おや残念。お目覚めですか。』
「は、はい。」
布団の上からだけど、私に覆い被さるようにして、ニコニコしながら私の顔をのぞきこんでいる。
「何してるんですか?」
『なかなかお目覚めにならないので、少々悪戯をしようかと思っていたところでございます。』
……ございますって……おかしいでしょ!それは!
「もう、目は覚めましたので、退いてくださいませんか?」
私もつられて、おかしな言葉遣いになってる。
『かしこまりました。』
そう言って、葛城さんはようやくベッドから離れてくれた。
『お昼過ぎにはお祖父様がお帰りになられます。それまでには、学校からお戻りください。学校には私の方からも連絡を入れておきます。』
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