vol.3 執事なんですよね?

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とんでもない所に来てしまいました。 明らかに場違いです。 『あの、楠木さんはどちらの御令嬢ですの?』 転入生が珍しいらしく、クラスメイトたちは遠巻きに私を見ていたが、好奇心旺盛なお嬢様がみんなの期待を背負いつつ私に話掛けてきた。 でも、期待を裏切るようで悪いが私は別に御令嬢じゃない。 「私は……普通の一般人。たまたま、ココが知り合いの母校だったから、入っただけだよ。」 『まぁ、そうですの……。』 明らかに嬉しそうな顔。 自分より下だってわかって安心したってところかしらね? 『ちなみに、そのお知り合いはどなたですの?』 「あ……。」 言ったらまずいのかな? 私の素性って、ばれたら大問題になりそうな気がするし……。 『どうかなさいました?』 「あ、いえ、そんなこと聞いてどうするのかなぁと思って。」 .
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