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人々の中に混ざって、二人並んで歩いてると、行き交う人という人が俺達を振り返ってまで見ていた。
芹香を見ているに違いない。
芹香の歩幅に合わせてその横を並んで歩く俺は、独り占めしているような優越感でいっぱいになる、これがもう一つの楽しみだったのだ。
時には、指差してキャーキャー騒いでる女の子もいた。
そんな中、同じ歳くらいの二人の女の子が俺達の前に現れた。
<女の子>「裕也君?モデルの裕也君だよね?」
目をキラキラさせながら一人の子が言う。
<裕也>「…そうだけど。」
<女の子>「やっぱり~!
超かっこいいから、すぐ分かったんだけど!」
捕まる、ヤバイと思って、芹香を見た。
なに!?
既に横にはいない…何食わぬ顔をして先を歩いて行く。
<女の子>「ねぇ、裕也君、暇だったら遊ばない?」
明らかに芹香と一緒にいたとこを知っておきながら、女の子達はニャンニャンした目で俺を誘ってきた。
<裕也>「ちょっ、急いでるから。」
それでも女の子達は俺の行く手を阻む。
芹香を見失わないように目で追った。
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