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見てはいけなかったものを目撃してしまったような気分だった。
道路脇に停めてある車から男が降りてきて、二人で楽しそうに話している。
俺は、真っ白になった。
芹香に男がいない方がおかしいと頭の中では認識していても、
いざ目の当たりにすると…
なんだろう…
このやるせない気持ち。
だが、すぐに芹香はその男に手を振り、その場から歩き出した。
もうすぐ芹香の姿が確認出来なくなりそうな時に女の子の手を振り払った。
<裕也>「マジ悪いけど大事な用事があるから。
でも、今度会ったら遊ぼうね。」
俺は当たり障りのないよう、無情にもきっと果たせない約束をした。
女の子達は嬉しそうに、はしゃぎながら携番を聞くが、勿論教えるつもりもなくただ早く芹香に追いつかないといけない衝動に駆られた。
いつもならその場のノリで女の子と遊ぶかもしれないが、芹香が遠くに行ってしまう不安の方が大きかった。
その場から逃げ出すようにして芹香を追い掛けた。
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