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<裕也>「さっきのキャッチだったんだ?
嫌がってるように見えたから、てっきりナンパかと思ってた。
てか、あんな奴に店に来いとか言ってたけど、
マジで来たらどうすんの?」
<芹香>「馬鹿ね?来させる為にあんな事、言ったのに、来てもらわないと意味ないじゃん。」
<裕也>「はぁ?意味が分からないんだけど…
あんなに勧誘断ってたくせに、
絶対またひつこく勧誘してくるよ。」
<芹香>「モテるだけの裕也君には、大人の駆け引きは、まだ早いかもね?」
???
褒められている気もするがなんだか聞こえが悪い。
<芹香>「あの男が店に来たら、こっちのもんよ。
一度だけでも来たら、客になる。
って事は、売上になるじゃん!」
嬉しそうに言う芹香。
<裕也>「つーか、さっきの車の人は?」
<芹香>「あぁ…見てたの?
裕也がナンパされてたから、私もナンパしてみたの。
やっぱ、裕也、相変わらずの人気だね。
モデルになってから、一段と格好良くなっちゃって、
どんどん遠い人になっちゃうみたい。」
遠い人になっていくのは俺の方じゃない…
芹香の方だよ…
俺は、高校に通いながら、雑誌モデルの仕事もしている。
身長を生かし、顔は甘い系、一応クール……かな。
自分で言うのもなんだが、モテまくっているのは事実。
負けない程の美貌を持つ芹香は、雑誌モデルや芸能関係のスカウトが学生の頃から未だに変わらずあるけれど、全て断ってきた。
何やら、興味がないらしい。
そんなチャンスを簡単な理由で断り続ける彼女の職業は、キャバクラ。
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