父、キャバ店出入禁止。

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父と芹香はそれぞれの席に戻ると会社の部下達が立ち上がって父の席に寄ってきた。 <部下>『やっぱり、会長じゃないですか! 少し、ご一緒させてもらってもよろしいでしょうか?』 本音は嫌だったが特に断る理由も持ち合わせていない父は了承し、部下達は卓を移動し、自動的に芹香も一緒に席を動いた。 <部下>『いやー、会長がいらっしゃってるなんて思ってもいなかったですよ。』 お前達のお陰で芹香にバレてしまったんだぞ、と言わんばかりに眉間にしわをよせて、部下達を軽く睨んだ。 <部下>『会長!この子、最近入ったばかりの芹香ちゃん!美人でしょ?』 店での名前も芹香。 ママに“トラブルがあるといけないから店では源氏名を使った方がいい”と勧められたが“2つも名前はいらない、面倒だから”という理由であえて源氏名も本名で通した。 部下は酒が入って少し酔っているせいか、調子に乗って芹香の肩を抱き寄せながら父に紹介した。 お前達より知ってるわ! それよりなんだ、その手は!と思った父は部下を攻撃!! の前に鋭く感じる視線。 <芹香>『初めまして。芹香です。よろしくお願いします!』 完全に作り笑いの芹香に苦笑いの父。 <父>『あー、芹香ちゃんって名前なんですか…。キレイな子…だね…。』 <部下>『ですよねぇ、私もこんなにキレイな子、見た事ないので、毎日でも通いたいぐらいですよ!』 部下達が芹香を褒めてくれるのは嬉しいが、馴々しく肩を抱いたりする光景を見ると気分が悪く、しかも芹香の見ている前で何も出来ない父の小さな抵抗を考えた。
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