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<父>『毎日?君、そんな元気があるなら仕事の方も上手くやってくれてるようなんだね?
君に頼んでおいた例の企画書、明日にでも拝見させて頂くよ。』
父は皮肉を吐き捨て、それを聞いた部下は一瞬にして表情を変えた。
<部下>『いや、あの会長…その件についてはですね…。』
<父>『それに…女の子目当てにお酒を呑むなんて私は感心しないな。』
…そういう店なんですけど…
次の日から父が出入り禁止になったのは言うまでもない。
別に店に迷惑をかけたわけでもない、ただ芹香の独断で来させないようにしただけであってママは父に会いたがっていた。
芹香は自分が出勤してない日になら店に行ってもいいと言ったが、父には専ら行く理由などなかった。
芹香が心配で行っていただけであって、いない日にわざわざ行っても意味がなかったのだから。
父の仕事の関係上、飲み屋さんを使う機会はたくさんあったが、芹香の気持ちを配慮してその店を使う事はなかった。
その頃の話をよく母から聞いていたから、それを思い出し笑みを溢した。
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