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<芹香>「気持ち悪!」
あの頃を思い出してる俺を横目に芹香は一軒のラーメン屋に入って行った。
おいおい、気持ち悪!はないだろっっ。
そう呟きながらも芹香に着いて行った。
中に入るとお世辞にも芹香が選ぶような店とは思えない店内の雰囲気。
食べているお客さんも箸を休め休め俺達をジロジロと見ている。
<店主>「いらっしゃい!!」
店主らしき人が大きな声で俺達を迎えた。
カウンターの空いている所に腰掛け、店主らしき人は水を持ってきて注文を聞いてきた。
<店主>「せーちゃん、何にする?」
耳を疑った。
せーちゃん?
――まさかね…
<芹香>「ヤッさん!いつもの!えっと…二つお願い!」
<ヤッさん>「あいよ!」
ヤッさん?いつもの?
???
なんだ?
この仲が良いですよチックなやりとり…
<裕也>「良く来るの?」
ヤッさんが作るラーメンを眺めながら芹香に聞いた。
<芹香>「来るよ。」
――はい、即答。
次の質問を聞く前にラーメンが運ばれてきた。
今気付いた事だが、俺の注文も芹香が勝手に決めたわけで、取り敢えず出された物を黙って食べてみた。
<芹香>「美味しい~!」
上手そうに食べる芹香はまるで子供のようだった。
<芹香>「ヤッさん、美味しい!!やっぱヤッのラーメンは最高!」
<ヤッさん>「いや~、せーちゃんがそんなに喜んで食べてくれると作り甲斐があるよ~。」
他のお客さんもいたが、手の空く合間に、ヤッさんはニヤニヤしながら俺達の所にやって来て、小声で話かけてきた。
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