幹ちゃん。

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<幹太>「いらっしゃいませぇ!」 いかにも営業スマイルの男性の店員は芹香を見た途端、みるみる表情が変わり歩み寄って来た。 <幹太>「芹香~!」 その店員は名前を呼ぶと、思いっきり芹香に抱きついてきた。 俺はあまりの出来事にポカンと口が開いた。 この時には、まだ店員の正体が分からずに不審に思っていたのだが、この後の言動で少しずつ明らかになっていった。 <幹太>「この子でしょ?芹香の弟って。 やっぱり、噂通りのいい男ねぇ~。」 そう言いながら、今度は俺の腕や胸筋を触り始めた。 <芹香>「もう!幹(かん)ちゃんてば!触りすぎだし!」 芹香は笑いながら店員に言った。 <芹香>「ねぇねぇ、幹ちゃん、コーヒー飲みたいな!」 <幹太>「ちょっと芹香~、久しぶりに来たかと思ったら、何~! コーヒーとか言っちゃって~!! もう、ヤダ~、失礼しちゃう~。 まさかお茶しにわざわざ来たんじゃないわよね? 店(うち)は喫茶店じゃないわよ~、服売ってんの!ふ~く~を!」 <芹香>「はい、はい、はい、はい、分かってるって!裕也のを探しに来たの!」 <幹太>「あら、ヤダ!裕也君の~?そうなのぉ?んーどんな服がいいかしら?」 店内にある服達を手に取り出した。 <芹香>「あ~、いいよ、幹ちゃん!自分で選ぶだろうから、裕也に任せてていいよ!」 <幹太>「あ、そうね! モデルもしてる事だし、こんなにいい男なんだから何着ても似合うと思うし~、じゃ、ゆっくり見てて!店(うち)のは全部がお勧めだから!」 そう言い残し、二人はコーヒーを飲みに店の奥へと行った。 一人で店内を物色していると、結構俺の好きなアイテムが多かった。 店内はそれほど広くはないが、若い子が好む商品から大人っぽく着れる服まで幅広い商品が置かれている。 人がいると集中して上手く服を選べなかったりする俺の性格を配慮して芹香が幹ちゃんをコーヒーに誘ったのかもしれない。 たまたまお客さんもいなくてスタッフも幹ちゃんだけ、俺が最高に求めていたShopの雰囲気そのものだった。 ただ、気になったのは、幹ちゃんと呼ばれてる男。 話し方や仕草が明らかに男じゃなく…女っぽいわけで… !!!!! 話の語尾を伸ばす… これは… まさに、 …只者ではない… はず…。
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