客人。

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30分くらいしてから寝室のドアが開く音がして、そっちに目をやると、さっきとは全く違う姿で出て来た。 さっきまで髪に捲かれていたカーラーを外して毛先は内巻き、 深めに被ったニット帽、サングラス、モコモコのジャケット、中は胸元まで空いたカットソー、ジーンズ、どこのブランドかは分からないがショルダーバッグ を斜めにかけ、少し大人っぽい可愛らしさを感じさせるスタイルだった。 <芹香>「行くよ!」 <裕也>「は?行くって何処に?」 <芹香>「お腹空いたし、あと服も見たいから付き合ってくれない? 私、今日、仕事休みだから。」 マジかよ!! 俺の動揺は隠せない程、嬉しさに満ち溢れた。 芹香と二人で出掛ける事が久しぶりなのと、もう一つの楽しみがあったからだ。 俺達は街に繰り出した。
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