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「じゃあ席あけとくから」
「ありがとう」
「本当は店抜けて行きたいんだけど、そーゆー訳にもいかないから」
「うん、じゃあ後で行くよ」
「うん、気をつけてね」
シュンは電話を切ると窓の外を見つめた。
さっきの男の怒りに満ち溢れた顔を思い出す。
何度も見てきたはずなのに、回数を重ねるごとにどんどん辛くなっていく。
いつもそうだ。
みんな最初は恐怖に引きつった顔をしている。
そして最後には憎悪に満ち溢れた顔になっているのだった。
その顔を見る度にシュンは複雑な気持ちにった。
決して後のことを恐れている訳ではない。
でもその顔が嫌いだった。
シュンの中は疑問でいっぱいになっていた。
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