第1話 二人の季節 一冬一

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「悪い悪い」 俺は目を擦りながら、優姫の顔を見る。 「・・・・・・どうかしたの?」 「いや、なんでもない。飯食おう」 優姫と二人っきりの食事、料理は相変わらず美味かった。 「味付け変えたのか?」 「・・・・・・分かるの?」 「当たり前だ、これは・・・・・・生姜だな」 「正解」と笑う優姫。 出会った頃より表情が豊かになった。 面白い事には笑う。 楽しい事には楽しむ。 怒る時には怒る。 泣きたい時には泣く。 喜怒哀楽がはっきりと分かるくらいに、優姫は成長していた。
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