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いきなり下唇に噛みつかれた。完全に目が覚めた七星は、昴の胸板を押して逃れようと試みたが、びくともしない。
「動くなよ、動いたらもっと痛くするからね」
優しい口調の昴。しかし、言ってることは優しくない。単なる脅しじゃないというのはすぐに理解できた。言葉通り、更に激しく噛み付いてくる。
鈍痛に耐えながら、七星は何とか唇を動かした。
「すばっち……今は、やめよう」
「やめないよ。欲しいくせに」
昴は、元気になりつつある七星の下半身の一部分に手を這わせる。
「……っ、か、会議があるだろ」
「ははぁ……いつものセリフが欲しいのか」
僅かに細くなる昴の両目が間近に見えた。
「す…ば……」
「逃がさないからな」
「……っ…」
「社長命令だ」
低く、甘い、絶妙な声のトーンで囁かれると、七星は金縛りに遭ったように動けなくなる。
昴の長くて程よく節くれた指が、七星のネクタイを解き、ワイシャツのボタンを外していく──
不意に乳首に噛みつかれて、七星はビクッと身震いした。軽く摘まれただけでも飛び上がるほど痛いのに……。
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