プレ・ラブストーリー 第1章

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いきなり下唇に噛みつかれた。完全に目が覚めた七星は、昴の胸板を押して逃れようと試みたが、びくともしない。 「動くなよ、動いたらもっと痛くするからね」 優しい口調の昴。しかし、言ってることは優しくない。単なる脅しじゃないというのはすぐに理解できた。言葉通り、更に激しく噛み付いてくる。 鈍痛に耐えながら、七星は何とか唇を動かした。 「すばっち……今は、やめよう」 「やめないよ。欲しいくせに」 昴は、元気になりつつある七星の下半身の一部分に手を這わせる。 「……っ、か、会議があるだろ」 「ははぁ……いつものセリフが欲しいのか」 僅かに細くなる昴の両目が間近に見えた。 「す…ば……」 「逃がさないからな」 「……っ…」 「社長命令だ」 低く、甘い、絶妙な声のトーンで囁かれると、七星は金縛りに遭ったように動けなくなる。 昴の長くて程よく節くれた指が、七星のネクタイを解き、ワイシャツのボタンを外していく── 不意に乳首に噛みつかれて、七星はビクッと身震いした。軽く摘まれただけでも飛び上がるほど痛いのに……。
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