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涙目になり、慌てて飛びのこうとした。昴がそれを許すはずもなく、強い力で手首を掴まれる。
そして、いつの間にやら用意されていた革のベルトで両手首を縛られてしまった。
縛ったベルトを近くのテーブルに固定され、しかも下半身には昴が乗っかっていて、逃げる術が無い……。
追い込まれた七星は、なぜかゾクゾクとした快感を覚えて始めていた。
否、『なぜか』どころか、毎回この感覚に捕らわれるのだが。
(もういいや……好きにしてくれよ)
七星は、昴の唇に自分からそっと近付いた。途端に、激しく舌を吸われる。呼吸をする合間も与えぬ程の執拗な攻め……。
すでに、昇天寸前──
その時。デスクの電話が鳴った。この呼び出し音は内線だ。
一度離した唇を名残惜しそうに再び軽く重ね、優しく微笑むと、昴は立ち上がった。
「なんだ?──あぁ、金森君……分かった」
すっかり社長の顔に戻っている。
昴は受話器を置くと、七星の手首に絡みついたベルトを解き始めた。
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