辛い現実

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何度も頭をよぎる、陸の言葉……それでも、なんとか午前の診察を終えた 昼休み………明里と二人でごはんを食べる………受付は、先生の奥さんなので 二人は、隣の自宅に帰るのだ お弁当を出したものの……とてもじゃないが、食べる気力すらない いつもより多く、たばこに火をつける 『……美空……何があったの?』 明里が静かに問いかける 私は、曖昧に笑う 『ねぇ、美空……笑えてないよ』 明里の容赦ない突っ込み…………中学からの付き合いだから、遠慮はない 『あんたのことだから……陸くん絡みだろうけど』 明里の口から、陸の名前が出た途端……緊張の糸が切れた 昨日、あんなに泣いたのに………まだ涙が出る………涙って、渇れないんだ………………なぜか、そんなことを考えていた .
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