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「実際今は機械ですけどね」
「アイツが義体化したの、ユリが自殺したすぐ後だったなぁ……」
「自殺ですか」
なんだかもうツバキに気を使うことが馬鹿らしくなってきたので、もう単刀直入に話すことにした。
彼女は彼女なりに、心を開いていることをこうして示しているようだし、こちらも肚を割って話そうということだ。
学校ではアリスや藤生、一応カノンもいるが、ここに帰ってきたら同性で心を開ける人がいなかったので、少し嬉しく思う琉生。
「そう、自殺。結婚して半年くらいしてからかな、ユリ、おかしくなっちまって。何が原因か、未だによく分かんねぇんだけどよ」
「そうですか……」
自殺、と聞いて琉生の脳内に浮かび上がるのは、暗い顔つきをした悠輔だった。
最後に見た、あの虚ろな目を思い出すたびにぞっとする。
同時に、自分が悠輔の心の支えになってやれなかったことに、罪悪感と後悔の波が押し寄せてくる。
もっと悠輔のことを知って、悠輔に寄り添っていたら、違う結果があったかもしれない。
考えても、仕方のないことだけど。
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