序章

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どうやらこんな雰囲気で食べたくないのはあいつも同じ様で…… 「私はご飯いらないから。 こんな奴と一緒に食べる位なら死んだ方がましよ」 唯未はそう言うとパンっと襖を閉めてどこかに行ってしまった。 その後の食事がいかにつまらないものになったかは言う必要もないだろう。 ……… …… …。 それから、十二時が過ぎた頃。 俺は寝る為に布団に入っていた。 布団に入ったのは夜十一時。 約一時間たっても寝付けずにいた。 それは部屋が寒いからではない。(暖房と加湿機は常に入れてある) 新しい生活に多少の不安と大きな期待を抱いて今日を迎えたら、大きな不安と小さな期待になってしまった。 あれから、結香や雪鳴と色々話したが唯未という少女は極端な男嫌いらしい。 それに風呂でいざこざがあったのが拍車をかけてあの様な態度を生出した。 多分、そんな所だろう。 ちなみに、風呂で何があったかは結香だけに話してある。 しつこく聞いてくるから仕方なくだ。 あいつに話したのが運命の別れ道できっちり弱みを握られてしまった。 高額な請求をされない事を祈っている。
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